先日、京都造形芸術大学で開催されたtupera tuperaさんの「がちゃがちゃパーティー」というワークショップに参加してきました。
幅広い分野で活躍されているtupera tuperaさん。大人にも子供にも親しみやすい作風と、受け手に開かれたアート活動が、たくさんの人を魅了しています。
今回のワークショップもその一例。メインの企画の他にも、作家本人による爆笑読み聞かせもあって、なんとも贅沢で楽しい時間を過ごしました。
そんなワークショップの模様と、絵本をはじめとしたイラストレーションやアートディレクションで大活躍のtupera tuperaさんについて紹介します。
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Contents
1.tupera tupera(ツペラツペラ)って?
2002年より活動を開始した、亀山達矢さんと中川敦子さんによるアートユニット。
「パンダ銭湯」や「しろくまのパンツ」などで、たくさんの賞を受賞している絵本作家であり、NHK Eテレ「ノージーのひらめき工房」のアートディレクションなども手掛けている、大人気のユニットです。
そのアートワークは、子供の世界だけでなく、本の装丁やお店のポスターなど、大人の目に触れる場所でも度々見ることができます。あ、これも彼らの作品だったんだ!と、知らずにtupera tuperaの世界に触れていることもしばしば。
ところで、ユニット名のtupera tupera(ツペラツペラ)は、へんてこな呪文みたいなのをイメージした造語なんだそう。すごく印象に残る名前ですよね。
参考URL:tupera tupera(ツペラ ツペラ)
◆with 京都造形芸術大学
1年前に、東京から京都に活動の拠点を移したtupera tuperaさん。京都造形芸術大学のこども芸術学科で客員教授を務められています。
今回、そのこども芸術学科の学科長の提案で、初の試みとなる学生さんとのコラボワークショップの開催となったそう。
現役の偉大なアーティストと一緒にイベントを企画・運営できる。学生さんにとっては、この上ない経験になりそう。何より楽しそうで、すごく羨ましいです。
参考URL:京都造形芸術大学 こども芸術学科
2.学生とコラボ 丁寧に企画された最高のワークショップ
◆雰囲気ある会場作りに、高まるわくわく
会場は、京都造形芸術大学 瓜生山キャンパス未来館にある「こども芸術大学」。この、こども芸術大学、親とこどもが一緒に通える保育所や幼稚園に並ぶ教育機関なんだそう。芸大の中にある、芸大が主催するこども園。費用も市内の他のこども園と同じで、年収により決定されるよう。私も近くに住んでいたら通いたい!
普段、こどもたちが過ごす場所なだけに、優しい風合いの木と白で統一された室内。そこに、しろくまのウェルカムボードや、大きながちゃがちゃパーティーのイメージパネル、ガーランドなどが飾られて、tupera tuperaのかわいい雰囲気でいっぱいでした。
参考URL:京都造形芸術大学 こども芸術大学
◆空きビンでがちゃがちゃピープルを制作
いよいよ、ワークショップ開始!くじ引きで、お題目が入った箱から一枚を選び、そこに書かれてあるテーマで、パーティに参加する「人物」を作ります。
「洞窟で暮らしてそうな人」とか「ピンク好きの人」など、面白いテーマばかり。
「人物」の材料になるのは、学生さんが頑張って集めた色々な大きさや形の空きビン。好きなビンを選んで、そのままの形を活かしたり、組み合わせたり。それをベースに、絵の具をぬったり、布や毛糸で装飾したり、皆さん思い思いのやり方で、イメージに近づけていました。
我が家の息子も真剣!
娘は夢中で色塗り。
出来上がった作品はこちら。出来栄えはともかく、楽しんで作りました^^。
左から順に「読書家」「ごっつあんですが口癖の人」「日向ぼっこが好きな人」「負けず嫌いな人」です。
tupera亀山さんや学生さんも、その場でテーマを引いて制作してましたが、さすが!みなさん個性的でおしゃれでした。
亀山さんの作品 テーマは「羽がはえた人」。
◆がちゃがちゃパーティの見せ場!
最後は、参加者全員の作品を、ケーキに見立てた台に飾ってお披露目会。皆さん個性的で、どれも面白い作品ばかり!集まるとこれまた壮観です。
出来上がった作品も、楽しく過ごした時間も、まさしく「がちゃがちゃパーティー」なイベントでした。
◆作家本人による大爆笑の読み聞かせ
イベントの始まりは、tupera亀山氏による絵本の朗読でした。しかもなんと6冊!
みんなが大好きな作品を、学生さんも参加して、面白可笑しく読んでくれました。
作家本人による絵本の読み聞かせ。しかも、ただの読み聞かせとは一味も二味も違う読み方や演出に、大人もこどもも大爆笑でした。
ラインナップは以下の6冊。
1.やさいさん
●葉っぱだけが見えているやさいさん。畑の中からすっぽーん!となる、しかけ絵本です。
▶我先に!と大きな声で、堂々と野菜の名前を間違えるこども達に、「読んでないな!」とツッコミを入れる亀山さんでした。
2.おばけだじょ
●「おばけだじょ」、「たべちゃうじょ」。ちょっと怖いけど、かわいい口調のおばけ。ページが進むごとに手足が増える、そのおばけの正体は?
▶絵本が目に入っただけで、お化け―!と大騒ぎのこども達。学生さんによるケロケロケロケロの音響演出もありました。
3.しろくまのパンツ
●パンツを無くしてしまったしろくまさん。心配したねずみさんと一緒にパンツを探します。しましまやピンクなど、色々なパンツがあるけれど…。最後はあっと驚く結末です。
▶絵本がはいているパンツを脱がせるところから学生さんとコラボ。「はいてるわ」と自分のパンツを確認する亀山さんでした。
4.これはすいへいせん
●谷川俊太郎さんとコラボの絵本。ページをめくるたびに文章が増えて、最後にはとても長い文になる言葉遊び絵本。「つみあげうた」という手法だそう。
▶学生さん3人+亀山さんで、うまく読めるか順番に回し読み。長くなっていく文を一息で読むと、早口すぎて何を言ってるかわからない。絵本の違った楽しみ方を見せてもらいました。
5.うんこしりとり
●こいぬのうんこ→こうしのうんこ…と「こ」で始まり、うんこの「こ」で終わる言葉が続くという、うんこづくし。出し切るまで続きます。
▶こども達が大好きな「うんこ」。最後のしかけで、亀山さんの思わぬところからうんこが。とにかく「うんこ」の大合唱でした。
6.パンダ銭湯
●パンダ専用の銭湯。お風呂に入るのに、パンダはある部分をぬぎぬぎ。え、パンダってそうだったの!?と驚くこと間違いなしの傑作。
▶耳とサングラスをつけてパンダ仕様の亀山さん&学生さん。物語に合わせて、ちゃっ!とサングラスを取ったり。最後は、「はらへったー。天下一品食べて帰るぞー!」とアドリブも。
どれも本当に面白くて、子供たちに大人気!ぜひ読んでみてください。
3.未来に残る思い出と作品 大人も子供も遊びが大切!
ワークショップの最後に、こども学科というのは、こどもを相手にするだけじゃなく、大人もこどもに帰すような創作の在り方を学べる学科だと亀山さんが説明されていました。
久しぶりに絵の具で手を汚し、楽しみながら作品を作った時間、まさしく童心に戻りました。こどもたちにとっては、思い出も作品も、大事な宝物になりそうです。
自分がこどもだった頃、大好きだった五味太郎さんや、せなけいこさんの作品。大人になった今も、こどもに読む機会が多いです。tupera tuperaさんは、今のこどもたちにとって、そういう存在になるんだろうなと思う作家さんです。
そんな作家さんのワークショップに参加できて、本当に楽しかった!
精力的な活動をされている、tupera tuperaのお二人。次はどんな作品を見せてくれるのか、今後の活動も楽しみです。