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思い出した!犬木加奈子のホラー漫画に憑りつかれた子供の頃

最近、漫画アプリで漫画を読むようになりました。

そこで久しぶりに再会したのが、犬木加奈子さんの漫画。

どうして今まで忘れていたのか不思議なくらい、犬木さんの描くホラーの世界に夢中で引き込まれて子供の頃を思い出しました。

そして30年近くたってまた、彼女の作品にはまっています。

1.犬木加奈子という漫画家

犬木加奈子さんは1987年デビューのホラー漫画家さんです。

少女フレンドで代表作となる『不思議のたたりちゃん』を連載する他、多数のホラー雑誌で執筆を行い、1990年代のホラー界は彼女なしでは語れないほどで、「ホラー界の女王」と呼ばれているそうです。(ご本人は「レッテル」とあまりうれしくない様子?)

しばらく活動休止をされたのち、2014年に活動を再開。

新作を発表しながら、コミックシーモアなどの電子漫画で、過去の作品や単行本化されなかった作品などの配信もされています。

◆個性的な画風が超漫画

犬木さんの描く絵は、一目みたら犬木さんが作者だとわかります。

美人もブスも落ちそうなほどの大きな目で描かれ、とにかくキャラクターの個性が強い!あと、すごく丁寧に描かれていて、その画風は漫画を超えて、アートの域です。

また、絵の強さがあるので、顔の皮がはげたり表現自体はグロテスクな場面も、ただ気持ち悪いだけのものになりません。キャラクターの内面の邪悪さがデフォルメされて、それがもりもり紙面から出てくるの感じが一番怖いんです。

◆はびこらない悪をわかりやすく

ストーリーは勧善懲悪が前提にあって、シンプルです。
童話や伝説がモチーフになっている作品も多くあります。

嫉妬とか意地悪といった人間の負の感情を、ストレートに「悪」として描いています。悪を悪として描き、それで人に迷惑かけたら痛い目に合うんだよって、いう王道の展開!悪いことしたら自分に返ってくるって、もしかしたら私は犬木さんから教えたもらったのかもしれません。

また、短編ですぐに完結するものが多いのも特徴。ショートストーリーの中に、起承転結でわかりやすくホラーがつめこまれています。

2.おすすめ犬木作品10選

昔の作品も、新しい作品も面白いものだらけ!

犬木さんの漫画はどこから入っても、同じ位のインパクトを受けて憑りつかれると思いますが、特におすすめ作品をご紹介します。

1.不思議のたたりちゃん
犬木作品といえばこのたたりちゃん。不気味だけど心優しい女の子。不思議な力を持っていて、いじめっ子たちの悪行に見合った祟りを起こす。
2.プレゼント
同級生のいじわるから誕生日プレゼントをもらえなかった少女。プレゼントを探して彷徨う彼女が現れるところには、さまざまなプレゼントにまつわるドラマが巻き起こる。
3.かなえられた願い

悪魔の書に書かれた悪魔を呼び出す方法。悪魔は何でも願いを一つ叶えてくれる。願いは叶うが、その結末は…。
4.毒使い蘭子

親友に毒を盛られ、美しい顔と自分の家や存在を失った蘭子。命を助けてくれた百目鬼とともに「毒使い」として生きる道を選ぶ。
5.大人向けグリム童話
グリム童話に現代の世界観を織り交ぜ、現実とファンタジーの境界のようなストーリーが描かれています。その世界は、残酷なのになぜか美しい。
6.口裂け女伝説
色々な作家さんが表現してきた都市伝説だけど、私の恐怖のルーツはこの作品。口裂け女を思い出すとき、思い浮かべるのはこの女の人です。

7.怪奇人形館
人形が心を持ち、心を持った人形は、人間に深い影響を与える。それは怖くもあり、時には心温まる結果にも。人形にまつわるオムニバス集。
8.罰かぶり
生まれてきてはならぬ子、存在自体が災いという主人公の阿蘭は遊郭で育つ。その阿蘭を中心に起こる異色の人間ドラマ。
9.笑う肉面

学校で一番の美人さゆり。家族の生活を支えるために金持ちのデン子と顔の交換をする。人間のエゴや業が鋭く描かれた作品。
10.埼玉最強伝説

埼玉県民のバイブルと称される埼玉本。独特の視点が面白すぎる。この本で、埼玉県民でない私は埼玉の真実を知りました。

3.まとめ

昔は犬木さんの人となりなど知る由もありませんでしたが、ツイッターを拝見すると、なんともおちゃめな方です。

作品も、そんな犬木さんの茶目っ気が利いているんだな、となりました。きっと多くの方が犬木ワールドの虜になるはず!

ジャンルはホラーなので、苦手な方もいるかもしれませんが、グロテスクとはちょっと違う、印象的な犬木作品をぜひ体験してみてください。