「教育プログラム」を掲げ、大人・子供向けにさまざまなイベントを開催している兵庫県立美術館。ワークショップだったり、芸術家の講演会だったりと、鑑賞だけじゃない芸術との触れ合の場を定期的に提供してくれています。
美術館って、お目当ての展覧会を鑑賞に行く以外は、そんなに訪れる機会がなかったりしますよね。だけど、メインの展覧会以外にも、楽しめる企画はたくさん!
また、兵庫県立美術館は日本を代表する建築家、安藤忠雄氏の設計。建物自体の魅力はもちろん、敷地内外に常設設置されているアート作品を見るだけでも十分に楽しめます。一人でも家族連れでも楽しめる、おすすめスポットです。
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展示会以外も充実の兵庫県立美術館
◆敷地内全体がアート
展覧会を見なくても、敷地内へは自由に出入りできます。
安藤建築を堪能するもよし、常設の作品を楽しむもよし。南側の海に接したなぎさ公園で風に吹かれるもよし。色々な楽しみ方ができます。
《安藤忠雄氏による設計》
コンクリート打ち放し仕上げで有名な安藤氏の作品。この兵庫県立美術館は、打ち放しばかりではないけど、外観も館内もグレーで統一された色調。
全体的に明かりが少なく薄暗く感じる場所もありますが、光を美しく取り込む計算づくの設計がされており、建物の直線に差し込む光線も内装の一部になっているようです。
直線ばかりでなく、ときおり現れる曲線設計が、建物の雄大さを広げます。館内と屋外が混在したような造りで、建物全体が迷路のように楽しめます。海に面したテラスなどは、建築美と自然美の融合を得意とする安藤氏ならでは、という印象を受けました。
通路がたくさんあり、どこがどう繋がっているのか散策するだけでも楽しい設計になっています。
参考URL:http://www.hetgallery.com/ando.html
《屋外の常設作品》
『エッフェル塔ー板状』北東側入り口の屋外通路に設置
フランスの彫刻家セザール作 エッフェル塔の廃材を再構築したもので「再生」がテーマ。
『Sun Sister』美術館南の海側に設置
ヤノベケンジ作 阪神・淡路大震災後20年のモニュメントとして2015年に設置。希望の輝く太陽を手に、世界中の全ての災害からの復興・再生を見守ってくれています。
参考URL:YANOBE KENJI ART WORKS
『美かえる』北東側入り口の屋上に設置
オランダの芸術家フロレンティン・ホフマン作。阪神大震災からの復興や、美術館への再訪など「かえる」をテーマにホフマン氏に作成依頼された作品。
カラフルなカエルは、まず一番に目を引くメインオブジェ。ただ、天候などにより、室内へかえることもあるようで、今回は写真が撮れず…。
◆子供向けワークショップが充実
展覧会中や夏休み・祝日などの日程で、こどもプログラムが開催されています。学芸員とボランティアの方を中心に、絵を描いたり、工作をしたり、さまざまな企画があります。
我が家が参加したことがあるのは、引いたくじに書かれたテーマで作品を作るワークショップ。材料は緩衝材やボタンやリボンなど、たくさん揃えてありました。その中から何を使うかは自由。
引いたテーマは「うさぎ」。こんな感じに仕上がりました。
違うワークショップのときに作ったのは猫。
また、バッジ作りにも参加したことがあります。こちらは大人も制作可。
専用の機械でプレスしてもらいます。
出来上がったのはこちら。
持って帰ったバッジを、子供は習い事のリュックにつけて使っています。形も残って思い出にもなるワークショップでした。
解説つき鑑賞会など大人用のプログラムもあります。安藤忠雄氏も講演会に登場したり、その他アーティストによる講演会や音楽会などもたくさん。しかもけっこう無料が多くてびっくりです。
◆美術館ならではのランチ 近隣施設JICA関西もおすすめ
館内にはフレンチレストラン「ラ・ピュール・ミュゼ」とカフェ「フォルテシモ」があります。
レストランでは、展覧会とリンクした特別メニューがあり、美術館ならではの食事が楽しめます。フレンチで落ち着いた雰囲気なので、子供連れでは少し敷居が高いかも。
カフェではランチ用の軽食も用意されています。店内は席数が少ないので、販売されているランチボックスを買って、海沿いのベンチに座り、ピクニック気分でいただくのもおすすめです。
また、個人的におすすめなのが近くにあるJICA関西食堂でのランチ。
月替わりで、世界各国の代表的な料理をセットメニューで提供しています。普段はお目にかかれないような国の料理が食べられて、何だか楽しい。私が今まで食べた民族料理は、思うよりもくせがなくて、どれも美味しくいただけました。
民族料理以外にも、カレーや丼ものやフライドチキンなど、子供連れにも安心なメニューがそろっています。
写真はマダガスカル料理。ラビトゥトゥ(右端)をご飯にかけていただくのが定番だそう。
またJICAでは、各国の民族衣装や楽器などの展示コーナーがあり、自由に使って遊べます。子供たちの食いつきはすごいです。お食事のついでにぜひ立ち寄ってみてください。
展覧会だけじゃない兵庫県立美術館の楽しみ方いかがでしょうか?
また兵庫県立美術館から王子動物園までは「ミュージアムロード」と名付けられ、沿道にたくさんの屋外作品が設置されています。周辺の文化施設や飲食店などとも連携し、街全体でアートが満喫できます。
季節の良い春や秋に、ミュージアムロードの地図を片手に散策したいですね。
兵庫県立美術館