2019年秋クール始まりましたね。面白そうなドラマを探して、今期で見始めたのは『俺の話は長い』です。
日テレ土曜10:00から脚本家金子茂樹さんの完全オリジナル作品で、何やら新しい試みをしている作品のよう。
第1回放送を見た感想・あらすじなどをまとめました。
Contents
《作品について》
あらすじ
31歳ニートの満(みつる)。喫茶店を営む実家に母と二人暮らし。父は数年前に他界。
6年前、満が夢を持ってコーヒー専門店を起業したが、9か月で閉店に追い込まれた。その後は周りに心配されながらのニート生活が続いていた。
そんな満は『屁理屈の天才』。屁理屈をこねては、相手にも自分にも、本当の気持ちを誤魔化しながら日々を送っていた。
ある日、家を建て直すための一時避難として、姉・綾子が一家で実家に戻ってくることに。
再婚の綾子、ミュージシャンからサラリーマンとなった義兄。不登校の姪。姉のいる秋葉家にも家族の問題が…。
ダメ男・満とその家族の奮闘と変化を描く、どたばたホームコメディ!
キャスト
- 岸辺満(生田斗真):31歳ニート 屁理屈の天才で口喧嘩で負けなし
- 岸辺房枝(原田美枝子):満と綾子の母 温和 自宅で喫茶店ポラリスを経営している
- 秋葉綾子(小池栄子):満の姉 バリキャリで家族に対して当たりが強い
- 秋葉光司(安田顕):綾子の再婚相手 過去はプロのミュージション 嫁にも娘にも弱い
- 秋葉春海(清原果耶):綾子と前夫との子 不登校 光司を父親と認めていない
《ドラマチック感想》
実力派揃いの役者と役がマッチ
一番の注目は、題名そのまま、生田斗真演じる主人公の満のキャラでしょう。
口を開けば飛び出す長い屁理屈のオンパレード。謳い文句どおりの面倒くさいキャラ!
生田斗真さんの美貌を持ってしても、面倒くさいキャラがすごくて、これは結婚できない!と思う感じが漂っています。逆に、彼の美貌があるからこそ、放送に耐えうるキャラが成り立っているのかもしれません。
そのめんどくさい主人公を支える周りの登場人物が、実力はの俳優さん揃いで、個人的にかなり注目です。
しっかりが過ぎて家族に摩擦を引き起こしてしまう姉の綾子。彼女を演じるのは小池栄子さんはキャラにピッタリ。
あと、今、最も若手女優の中で実力を評価されている清原果耶さんの年齢ジャストミートな高校生役も楽しみです。また、自然な演技に定評のある安田顕さんの父親役もはまり役そうだなあ。
現代あるあるな家族問題をマイルドにコミカルに
主人公の満はニート。姉の綾子はバツイチ再婚で、その娘は夫を毛嫌いし、さらに不登校と、主人公一家には数々の家庭問題があります。
実際に、そんな問題が家庭に1つでも起こっていると、悩みはけっこう深刻ですよね。
が、そこはコメディ。状態としての名前はそれだけど、背景とか原因は変化球っぽく、重いテーマをさくさくと扱っています。
例えば、ニート問題。
満の場合は起業に失敗して、次の仕事を慎重に選ぶこと6年のニート。
もともと起業できる力もあって、仕事を選ばなければすぐ見つけられそうな「選択ニート」。高校生の姪にもなんだかんだ慕われ、ニート状態をネタにできるという、悲壮感があまりない明るいニートです。
その姪、晴海の不登校問題の理由は恋愛がらみ。
悩みや辛さの大きさは人それぞれで、同じ物差しで測れるものではありませんが、第二話では比較的あっさりと登校したりと、満の選択ニートと似ている点があるかもしれません。
晴海が抱えるもう1つ問題、母の再婚による父 光司との不仲問題。これは、親の離婚という、自分ではどうにもならなかった現実はあるけれど、新しいお父さんは娘との関係構築を心から望む優しい人で、実のお父さんも大事にできる存在のよう。見ている視聴者が胸が痛いような状況ではありません。
そんな感じで、重いテーマを深刻に見せていないけれど、どの家庭にも起こりうる家庭問題のひっかかりをテーマにしているドラマです。
60分枠を30分×2本立てにした新時代型ドラマ
このドラマの大きな特徴は、1時間の枠でエピソードを2つに分け、30分×2本仕立てで構成されていることです。
この効能としては、まず、テンポがいい。1話でまとめられているので、中途半端で終わってすっきりしないもやもやがありません。
また、動画配信サービスで視聴者のニーズにあう形を模索する試みでもあるようです。
実際、私はリアルタイムで毎週同じ時間にドラマを見るという時間がとれないので、このドラマをHuluで視聴しています。だけどやっぱり、1時間丸まる腰を落ち着けて見る時間はとれなかったります。
そんなときは、途中で止めて、また用事が終わった再生して・・と繰り返すんですが、これが30分枠であれば、1話ずつで区切ることもできますよね。
ただ、30分でストーリーを完結させて、続きも見たくさせるというのは、脚本作りはきっと大変ですよね。
これからは少ない時間で、視聴者を惹きつける魅力のある番組作りが必要になる時代。まず、1クルーというこれまでのドラマ枠で、今までとは違う形のものを見せるという、業界に一石を投じる作品になるのかもしれません。
流れを引き起こす変化球が投じられた
色々な問題を抱えた岸辺・秋葉家が、家の建て替えを機に、3カ月一緒に暮らすことに。
問題がある状態というのは、流れが停滞してよどみがある状態。そこに起こった「変化」によって、良くも悪くも堰が壊れて、流れが引き起こされていく様子が描かれています。
30分という枠の中で、展開や個性を出すうえために、主人公 満の長く、しつこく、そして笑える屁理屈が、どう繰り出されていくんでしょう。
まだ1回目の放送(第1話・第2話)が終わったばかりで、今後の展開がどうなっていくのか分かりませんが、新しい試みをしているこのドラマを引き続き楽しみたいと思います!