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続編決定の『コウノドリ』 人気漫画原作 豪華キャストの周産期医療センターで起きる出産ドラマ

『モーニング』で掲載の人気漫画が原作のこちらの作品。2015年の第1シリーズに引き続き、2017年10月から第2シリーズが放送されることが決まったそうです(金曜夜10時)。

原作の漫画を嗚咽しながら一気読み。実写化ドラマされたこちらはオンタイムで見れなかったんだけど、huluでシーズン1を発見したので視聴してみました。そして、やっぱり涙なみだの一気見になりました。

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《作品について》

1.データ

  • 原作:(作者)鈴ノ木ユウ 2012年より講談社『モーニング』で掲載中の漫画
  • テレビ:2015年10月~ TBSにて放映(全10話)
  • 音楽:主題歌 miwa 『あなたがここにいて抱きしめることができるなら』 ピアノ曲:清塚信也
  • 主人公のモデルとなった人物:荻田和秀先生(りんくう総合医療センター泉州広域母子医療センター)

2.キャスト

  • 鴻鳥 サクラ(綾野剛):産婦人科医でジャズピアニスト 孤児院で育つ
  • 下屋加江(松岡茉優):サクラの元で働く研修医
  • 小松留美子(吉田 羊):サクラと四宮が研修医時代に一緒に働いたベテラン助産師
  • 四宮春樹(星野 源):サクラの同期の産婦人科医 ある事件をきっかけに患者だけを救うことに集中するように
  • 白川 領(坂口健太郎):新生児科の研修医 実家が小児病院
  • 今橋貴之(大森南朋):新生児科のドクター 二人の娘の父親

3.あらすじ

各回では、それぞれ出産に関する色んなテーマに焦点が当てられています。

テーマだけ見ると、なんか教科書みたい。

でも、ドラマの中では専門的なこともわかりやすいし、毎回のゲスト俳優さんたちが演じる出産に対する色んな気持ちが表現されたヒューマンストーリーに、私は瞼が腫れました。何より実際に産まれたばかりの赤ちゃんたちの映像はたまらんかったです。どの赤ちゃんにもきゅんきゅんが止まりませんでした。

題名テーマ
第1話僕たちは毎日奇跡のすぐそばにいる難産・未受診妊婦
第2話答えのない選択母体外傷による妊娠継続困難・命の選択
第3話2つの手がつなぐ奇跡先天性風疹症候群・喫煙影響による常位胎盤早期剥離
第4話小さな命 あなたを救うのは私切迫流産
第5話14歳の妊娠 少女が母になる時若年層の妊娠・里親制度
第6話タイムリミット 最後のチャンス高齢出産
第7話母との約束 正しい出産って何?産み方 助産院と病院
第8話僕には忘れられない出産がある口唇口蓋裂・無脳症 子の障害や死と向き合う
第9話燃え尽きて…病院を去るとき超未熟児・医師のバーンアウト
第10話母と子を救う チームが起こす奇跡18トリソミー・死戦期帝王切開

《ドラマチック感想》

◆塩顔率高し!キャスティングの面白さ

なんといっても、ドクター陣の塩顔率が高い。綾瀬剛さん、星野源さん、坂口健太郎さんと、こちら系統のイケメン好きにはたまりません。綾野剛さんとか、こんなドクター本当にいたらいいなっていう理想像に仕上がっています。

原作とは顔の雰囲気が違う人もいるけど、雰囲気やキャラはけっこう忠実に再現されていると思いました。

個人的には、助産師の小松さんを演じた吉田洋さんが一番好き。原作ではチビで快活っていう設定だけど、トレードマークのお団子頭とさっぱり感と台詞回しの上手さで、完璧なキャラ作りでした。下屋役の松岡茉優ちゃんも、もともとの本人の魅力満載ですごく良かったです。

ゲスト俳優陣も毎回絶妙な配役で。懐かしい人から今をときめく人までさまざま。夫婦の組み合わせも面白かった。そこも見どころです。

◆赤ちゃんが産まれるという奇跡

ドラマの中で何回も繰り返される言葉、「出産は奇跡」。

これは本当そう思います。

まず、何もないところから、一人の人間が形作られるという不思議。それだけでもう奇跡!加えて、赤ちゃんが外に産まれ出るまでの道のりの長さ。

現在は医療も進み、少し前の時代では助けることが出来なかった赤ちゃんを助けることが出来たり、新出生前診断などで産まれる前から赤ちゃんの状態がわかるようになってきました。

それでも全てのお産がハッピーエンドに終わるわけではないし、産む側の環境が整わない場合もある。そういう、自分が同じ道を辿らなければ知ることができないことを、たくさん知ることが出来ます。

産まれたばかりの赤ちゃんだけでなく、低体重児・障害を持った赤ちゃんの映像とかもあって。この映像ができるまでに、家族や病院の協力、細心の注意を払った撮影が必要だと思うし、大変な現場だったんだろうな。内容もセンシティブなことばかりだし。

ただ面白いだけじゃなく、大事なことをたくさん伝えてるドラマです。

◆出産は社会の縮図

貧困により、必要な情報から取り残される人がいたり。高齢出産が増え、出生前診断を受ける妊婦さんが多くいて、結果から新たな心配が出てきたり。若すぎたり、家族に恵まれずに一人悩む妊婦さんもいたり。

情報化社会で技術も進んだ現在でも、出産に伴うリスクや問題はさまざま。

産む側の環境を整えるために、ドラマのペルソナ病院ではメディカルソーシャルワーカーさんがいたり、臨床心理士と連携をとっていたりしました。だけど、こういう情報って自分で取りにいかないとなかなか手に入らないから。

でもテレビとかで見ると、耳に入りやすいし。そういう制度があるんだって認識が、こういうドラマで分かり易く広まるといいなと思いました。

◆ピアノ演奏はあの人?

さくらのもう一つの顔、プロのピアニストであるBABY。ドラマの中でも、何回もピアノを弾くシーンがあります。さくらにピアノを教えたのは孤児院での母、景子ママ。その景子ママを綾戸智恵さんが演じています。

なんて、絶妙な配役!素晴らしいジャズシンガーである綾戸さん。もしやサクラの演奏は綾戸さんだったり、本人のピアノ演奏が聞けるのかな?と思ったんだけど、ドラマの中では子供時代のさくらと一緒に一瞬弾いただけでした。ちょっと残念。

サクラの演奏は清塚信也さんというプロのピアニストが吹き替え演奏されています。そして、この清塚さん。実はさくらが出演していたライブハウスのオーナー役というからびっくり。見たことない俳優さんだと思っていました…。

『のだめカンタービレ』のピアノ演奏も彼で、話題になった『逃げ恋』では、これまた俳優として出演されています。マルチな才能の面白そうな人です。

◆鴻鳥 サクラのモデルとなった実在の人物!

主人公の鴻鳥 サクラにはモデルになった実在の人物がいるそう。サクラのような情熱と技術をお持ちの先生が実在するとは!

その方は、泉州広域母子医療センターの荻田和秀先生。

荻田先生は、医者になる前はミュージシャンを目指していて、今もライブ活動などをされているようです。

病院のホームページを見てみると、実際の先生のお写真や、漫画原作者の鈴ノ木ユウさんのイラスト付き研修医案内用のコンテンツがありました。もしこちらの病院にお世話になることができたら、安心して出産できそうだなあ。

りんくう総合医療センター 泉州広域母子医療センタ―のHPはこちら

◆第二シーズンが楽しみ

第一シーズンは、さくらがお父さんについて少し知ったり、BABYだと気づかれてしまう?など、今後の展開が気になる要素がたくさんありつつ終わりました。

原作の漫画は今も新刊が出続けています。どんな内容のエピソードで構成されるのか、ゲスト俳優の妊婦さんたちは誰になるのか、今から楽しみです。

コウノドリ(1) (モーニング KC) posted with ヨメレバ 鈴ノ木 ユウ 講談社 2013-06-21 AmazonKindle楽天ブックス

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