huluで面白そうだなと何の予備知識もなく見始めたこの作品。少し見て気づきました。あ、これ以前、出先でテレビに映ってたのを少しだけ見て、めちゃくちゃ面白そうで続きが見たいと思ってたやつだ!でも、ストーリーは一緒なのに、映像が違う気が??
調べてすぐ納得、こちらはデンマークで大ヒットした「THE KILLING/キリング」のアメリカでのリメイク版。私がちょっとだけ見たのはオリジナルの方だったんですね。(オリジナルは未鑑賞なのでまた見てみたい)
本編ですが、1日が1話の設定で、シーズン1・2の計26話で1つの事件が完結します。
舞台はシアトル。17歳の美少女が死体となって発見され、バディを組む男女二人の刑事が捜査を担当。手がかりを追って、少しずつ真相に近づく二人。その過程で浮かび上がってくる関係者の人間模様や、刑事自身の問題などが丁寧に描かれています。
被害者の家族や友人・学校。シアトル市長選の候補者たち。親も知らなかった被害者の秘密。色々な背景が複雑に混ざり合って、誰が犯人?と全ての人が怪しく見えます。さらに、どの登場人物も詳細な描写ゆえに、色んな人にシンクロしてしまって。
特に、家族を失うことで大きく崩壊してしまう被害者遺族。常にしっとりとグレーがかったテンションの映像が拍車をかけて、かなり心がざわつきました。
そして、事件を追う刑事、サラ・リンデンとスティーブン・ホールダー。二人共、それぞれクセあり。
女刑事のリンデンは仕事熱心で聡明。だけど、プライベートは不安定。シングルマザーで再婚予定の相手もいるんだけど、幸せに身を置けない感じ。うまくやりたいけどやれない。捜査以外の自分の人生については、どこか傍観しているような。
相棒のホールダーは元薬中毒者で、集団心理療法に通ってます。そんな過去の自分に苦しめられつつ、それを背負って、律して。
要因は色々だけど、誰の人生にも起こりうる悲劇と、誰もが持っている憂いや不安定さを、ストーリーと映像のトーンでうまく表現している作品だと思います。
サスペンスの価値を決める結末も面白くて、最後まで見ごたえがあります。
是非じっくりと鑑賞してみてください。