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「みさと天文台」で幻想的な空間と天の川を楽しむ

天文台っていうと、科学色が強くて、建物もどちらかというと無機質な印象ありませんか?

和歌山県の紀美野町にある「みさと天文台」(正式名称:紀美野町星の動物園)は、ジブリの映画のモデルにでもなりそうな可愛い建物が印象的な天文台です。周りの緑に佇む姿は、どこかノスタルジック。そして、夜になると、暗闇の中に浮かび上がる曲線が美しい建物と、窓から零れる暖かな明かり。初めて訪れたときは、その幻想的な雰囲気にテンションがあがりました。

今回は、関西で訪れたいスポットで一押しのみさと天文台を紹介したいと思います。

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みさと天文台の魅力

◆独創的な施設の設計者は?

みさと天文台の大きな魅力は、何といっても建物。総合受付のある本館は「月の館」、105cm口径の望遠鏡が設置された「星の塔」。そして、芝生が敷かれた「空の庭」。名前の付け方もいいです。

設立には都市計画家で建築家の上田篤さんが携わっています。上田氏は1970年の万博公園でお祭り広場を設計した方で、星がきれいな町に当時みさと町(2006年合併し紀美野町に)が選出されたことをきっかけに、町おこしの意図もふくめ設立されました。

確かに、天文台周辺は濃い緑しげる山で、車でないと行けない不便な場所にあります。また、天体観測は夜が基本なので、近隣の方以外は宿泊が必要になったりします(我が家は大阪まで日帰りしますが)。

そこで、天文台では近くの温泉がある宿泊施設やカフェが案内されていたりと、訪れる人への配慮があるとともに、イベントでは近隣のカフェとコラボするなど、町の活性化にもつながっています。

みさと天文台はその建物だけでなく、周辺の地域の機能を含めて創造された施設だといえます。

参考URL:ATSUSHI UEDA

◆口径105cmで国内トップクラスサイズの望遠鏡

1995年の設立当時、公開望遠鏡としては日本一の座を獲得した、国内トップクラス級の大型望遠鏡があります(現在は、兵庫県のはりま天文台が1位)。星が見える日の観望会では、この望遠鏡を実際に覗いて、研究員さんのその日一押しの星や惑星や星雲などを見せてもらえます。

また、インターネットが普及しはじめる以前に、世界で初めて望遠鏡の映像をインターネットを利用して配信できるシステムを備えたという革新的な一面も。

そんな革新的で立派な望遠鏡があるわりに、開催されるイベントは地域密着感とか自由度がけっこうあって、そのギャップがすごくいい感じです。色々な天文台があると思うけど、かなり特徴のある天文台じゃないでしょうか。

◆以外と知らない「天の川」を知れる

天の川観測をメインテーマとしているみさと天文台。

「空の庭」から夜空を見上げ、天の川を肉眼で初めて見たときは感動しました。小さな星が無数に集まって、空にかかる軌跡のような光。確かに川のように見えて、天の川と呼ばれる所以を実感できます。

明かりが多い街中では、薄い霧のように見える天の川を見ることはできません。毎年七夕で笹に願い事を書いたりしていても、実際に天の川を意識して空を見る人は少ないのではないでしょうか。

定期的に行われている観望会では、研究員の方の解説とともに天の川の流れを追い、小型望遠鏡でのぞいたりもできます。意外と知らない天の川を見て学べる、とても良い機会になると思います。

◆地域と密着したイベントが面白い

みさと天文台では常設の観望会以外でも、面白そうなイベントが精力的に行われています。

彗星や流星群といった天文イベント時はもちろん、近隣のカフェとコラボしたカフェ付き観望会や、満月の夜ススキの大草原を歩くナイトウォーキングなど、アイデアが面白い。

私が行ったイベントは、2015年4月4日の皆既月食。イベントに合わせ用意されていた、月食うどんと月食饅頭と木星ぜんざいをいただきました。それらもすべて近隣の和菓子屋さんや飲食店とのコラボ。あいにくのお天気で月食を見ることができなかったので残念でしたが、また違った形で月食を楽しむことが出来ました。

まとめ

関西には公開天文台が約30か所あるようです。まだそのうちのいくつかしか訪れたことはありませんが、その中でみさと天文台は、初回でぐっと心をつかまれた何度も訪れているおすすめの天文台です。お出かけの候補にぜひ加えてみてください。

みさと天文台駐車場にて 雨あがりの空に虹がかかりました。

◆みさと天文台と協賛のお店情報

HPが見つからなかったお店については、関連URLを掲載させていただきました。

◆合わせておすすめのスポット

近隣の(といっても車で1時間ですが)おすすめ面白スポット「恐竜ランド」。天文台へ行く前に寄って、和歌山を1日満喫するコースがおすすめです。

みさと天文台
住所:〒640-1366 日本和歌山県海草郡紀美野町松ヶ峯180電話:073-498-0305開館時間:開館 13:00 閉館 17:00(水)、19:30(木・日)、20:30(金・土)休館日:月・火(祝日は開館のため振替あり)、年末年始、冬季・夏季整備期間あり料金:夜間入館金 大人200円 子供100円アクセス:(大阪方面)阪和自動車道海南東ICから国道370号高野山方面へ     (タクシー)JR海南駅西口からおよそ7000円ほど公式HP:紀美野町立みさと天文台※施設情報は変更になる場合があります。お出かけの際は、事前にHPなどでご確認をお願いいたします。